トップページ ≫ 社会 ≫ 森友問題で渦中の菅野氏が浦和で講演
社会
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3月25日(土)に浦和駅東口のさいたま市浦和コミュニティーセンターでタイムリーな講演会が開かれた。講師は森友学園問題でにわかに時の人となった菅野完(すがのたもつ)氏、42歳。昨年に刊行されてベストセラーになった「日本会議の研究」(扶桑社)の著者ということで演題は「日本会議の動向について」だが、主催者の市民団体は講演依頼時に今の状況をまったく予想していなかったはずだ。前売りチケットは完売で、会場は満員だった。
菅野氏は演壇に上がるや、「怪しげなジャーナリストと呼ばれているけど、ジャーナリストなんて言われたくない。物書きでいい。今も実話雑誌でヤクザ戦争を書いている」と切り出した。新聞、テレビなど記者クラブ制度の中で安住する大手メディアに対する一匹狼ライターの意地だろう。
幼稚園児に教育勅語を暗唱させていた森友学園に格安価格で国有地を売却し、小学校設立を認可したことについて、国や大阪府への取材は閉ざされていたので、菅野氏は森友学園理事長だった籠池泰典氏とのコンタクトに狙いを絞り、それが今回の展開につながったという。籠池氏の教育理念には真っ向から反対の立場をとってきた菅野氏だったが、突然、籠池氏のほうから接近してきて、それまで隠されていた数々の驚愕の話をぶちまけた。
森友学園の創立者の娘と結婚した籠池氏の転機は2006年、第1次安倍内閣での教育基本法改正だったという。新たに愛国心が法に盛り込まれ、世が右傾化に動いたのは追い風と思い、小学校設立を視野に入れて行動を開始した。幼稚園では教育勅語の暗唱が始まり、総理の名を冠した小学校名で寄付金を集めた。小学校用地も国との借地契約だったのが、格安価格での購入へと事は運んだ。籠池氏自身が「神風が吹いたのだろう」と言うほどの急進展だった。小学校を設立するためにいろいろ工作した籠池氏の行動よりも、このような事態の進行を容認した国や大阪府のほうに問題があるはずだ。
ところが、この問題が表面化すると、国や大阪府、そして政治家も籠池たたきに回った。小学校開校の夢は消滅し、金銭的にも窮地に立った。彼らを信じられなくなった籠池氏の心の闇が菅野氏とのコペルニクス的転回につながったのだろう。講演を聞いた印象では菅野氏はストレートな物言いで、役人や政治家のように二枚舌を使ったり、人を裏切ったりするとは思えない。
今回の問題でテレビのワイドショーに出ている政治評論家たちをも遠慮なくこきおろす。そして演題の「日本会議」については、「彼らがやっているのは、右翼活動ではなく反左翼活動だ。レイシスト(民族差別主義者)みたいなのばかり」と切り捨てていた。
山田 洋
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