トップページ ≫ 社会 ≫ 場所をわきまえたい政治ポスター貼り
社会
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森友学園問題で国会に証人喚問された籠池泰典氏が小学校設立に関して相談した国会議員の中に、50年ほど前から知っている名前があった。参議院の柳本卓治議員で、当時、彼は早稲田大学雄弁会の幹事長だった。私が所属していたサークルの部屋が雄弁会と相部屋だったのだ。両方のサークルに所属する人も何人かいた。
多数の政治家を輩出した雄弁会の特徴は、思想的政治的立場を異にする学生たちが混在していたことで、互いに弁論を競い合っていた。気のいい連中が多かったが、自民党と直結していた柳本氏は、一見コワモテ風の顔立ちもあって、ちょっと取っ付きにくかった。
以後も彼との接点はほとんどなかったが、数年前に大阪市西成区の釜ヶ崎(あいりん地区)に寄ったら、いたる所に彼の顔写真入りポスターが貼られていた。大阪市議会議員から国会議員になったことは知っていたが、ここが彼の選挙のお膝下のようだ。昔より穏やかになったとはいえ、鋭い目付きの彼の写真が並んでいるのはインパクトがあった。ただ、この地区は簡易宿泊所が軒をつらね、利用者は住所不定の日雇い労働者やバックパッカーたちなので、ポスターの数が票に結びつかないのではと、余計な心配をしてしまった。
前置きが長くなったが、最近、柳本議員も顔負けのポスター攻勢に辟易している。地元選出の国会議員のものだが、とにかくその数には圧倒される。1軒1軒回って貼らせてもらう努力には感心するものの、所かまわずなのが引っ掛かる。人々の憩いの散歩道にもベタベタ貼られているのだ。釜ヶ崎という殺風景な街にあっては「ま、いいか」と思えた柳本議員のポスターとは事情が違う。
「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」という言葉があるが、度が過ぎると逆効果になるかもしれない。今からこんなようでは、いざ選挙になると、どんなことになるやら。
山田 洋
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