文芸広場
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「わたし、いろんなことが基本的にはどーでもいいと思っているの。」
以前いた職場の同僚がそう言っていたのが、妙に心に残っている。どーでもいいという響きには、ちょっと投げやりでマイナスのイメージがあるので、投げやりでもなくいつもひたむきに仕事に頑張っているひとが言っていたので、意外で印象深かった。
あれから時を経て、引き出しからこのことばを出してみると、「どーでもいい」は「どれでもいい」という意味だったのではないかと思う。ひとにはそれぞれこだわりがあって、特にわたしはこだわりが強いところがあって、家族との対立でプチ家出と称して実家にしばらく帰った時期もあったほど。こだわりは、例えば「芸術家のこだわり」とか「職人のこだわり」などといえば聞こえはいいが、日常生活でのひととの関わりのなかでは、相手や自分を不自由にして苦しめてしまうことがある。
昔、お笑い芸人のだいたひかるが「どーでもいいですよー♪」と歌うネタがあったが、実は深くも感じられる。彼女は乳がんを患ったらしいが、そのときも柔軟性のある「どーでもいいですよ」精神で乗り越えたに違いない。
悩んだときには「どーでもいいですよー♪」とつぶやいてみよう。悩んだ答えはどれでもいいのだから。正解などないのだから。
檀 ままこ
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