今回の日馬富士の引退は大きく深い問題を我々に投げかけた。暴力は是か非か？非だ。不倫は是か非か？非だ。しかし、非だからまったくの悪なのか？というと間違ってくる。世の中はやむにやまれぬ非で満ちている。親が愛する我が子に手を上げるのは非であっても是と認める場合の方が多い。先輩が愛する後輩にやむにやまれぬおもいで手をあげたとしても、それによって後輩が大きく伸びる場合は多々あるのが現実だ。しかし倫理として暴力は非なのだ。この二律背反的な是非は人類が存在し続ける以上消えることはない。だから、その場その状況で他者は判断し、救いの道を残すのがそれこそ「道」だ。日馬富士は逸材だ。教養人で社会貢献もしている珍しい力士だ。引退の会見も一流だ。そこいらの政治家とは格が違っていた。ただ、やりすぎた。熱がありすぎたのだ。引退を撤回させる道を関係者は真剣に考えるべきだ。