文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
色とりどりの朝顔の鉢があった
それぞれの色と形が美しかったので
次の年もまたその七色の花を楽しもうと
種に色の名前をつけて保存したのである
翌年の春朝顔の鉢にその種をうめて開花を待った
初夏のある日紫色の花が開いた
七つの鉢からは次ぎ次ぎと花が開いた
怪訝なことに全て紫だった
紫の朝顔も美しかったが
紫の朝顔は種の保存のために並はずれた繁殖力を持っていたのである
昨年階段に置いた全ての鉢には紫の種が散っていたのである
既に芽生えていた2~3の芽を残して鉢毎に種を埋めたのだが
ウグイスの托卵のように
紫の朝顔は密談を交わし
刺客を送り
毒ガスを放ち
他の朝顔の芽生えを阻害したのである
紫の朝顔よ そう言うのは獣や人間のやることで
花のやることではないと思うよ
山上 村人
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR