トップページ ≫ 社会 ≫ 水道法の改正と水道事業の民営化の問題点③ ~水上清悟~
社会
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水道法改正の背景のもう一つ、2000年代に入ってからの比較的新しい課題に関しては、現在の多くの水道施設が高度経済成長期に整備されたものであり、それら多くの施設が老朽化し、更新しなければならない時期に来ていること。あるいは、様々な老朽化に伴う不具合が既に発生していて、更新しなければならない時期をとうに過ぎているといっても過言ではない状況にあるという課題である。加えて、施設更新に際しては、ダウンサイジング(施設を縮小する)を目指した施設の再編成をしていかないと、人口減少に伴って過大となった施設群の非効率な運転や維持管理を強いられ、施設経営上、不必要なコストが生じることは間違いない。そして、老朽化対策を含めたこれらの中長期を見据えた施設の再編成や更新には、料金収入が減少していく中で、莫大な資金の投資が必要なことは言うまでもない。
更に、高度経済成長期の水道施設整備や運転管理等を支えた団塊世代のベテランの技術者が大挙して定年を迎えてしまっており、技術継承と相まって、人材確保や確保した人材の育成に大きな課題を抱えてしまっていることも挙げらる。
以上のこれら課題は、地方の中小規模水道のみならず、大都市の水道も総じて抱えている課題であり、財政的にも技術的にも人材的にも水道事業の経営基盤が大きく揺らいでいるというのが、日本の水道事業の現況である。このような現状分析と将来予測に対処するために、経営基盤の強化を水道事業体に促し、水道事業の将来に渡る持続を確保することを目的に、今回、水道法の改正が行われたということである。 (続く)
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