社会
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2020年春に暫定開業するJR山手線の新駅(田町と品川の間)の名前がきわめて不評だ。駅名を公募したら、1位が高輪、2位が芝浦、3位が芝浜だったのに、採用されたのは130位の高輪ゲートウェイ。何のための公募だったのかという疑問が出るのは当然だし、何より日本語プラス英語の組み合わせに違和感が強いようだ。
JR東日本は「新駅周辺に東海道の高輪大木戸が設けられた史実もあり、江戸の玄関口だった地」と説明しているが、それなら無理に英語を使う必要はないはずだ。この駅名には鉄道ファンをはじめ反発の声が多く、撤回を求める署名活動も広がっている。しかし、法的には駅名の決定権は鉄道会社にあるという。
同様な無神経とも言える命名は、2005年前後がピークだった「平成の大合併」と呼ばれる市町村合併時にもあった。新地名には片仮名混じりや平仮名化したものが多く、さいたま市という新市名も芳しい評価を得られなかった一例だ。
JRの駅名や地名に比べれば公共性は少ないものの、会社名にも「なぜ?」と思わせるものがある。旭硝子と言えば三菱系の名門会社で、建築用と自動車用のガラスで世界トップクラスだが、テレビCMでしきりに社名変更を告知している。昨年7月よりAGCと社名変更して、12月末からの告知CMは第6弾だというから、新社名が浸透していないことが推察できる。社業が多角化しているとはいえ、ガラス事業は今も全体の半分を占める。硝子という文字は辞書にも収録されていて難字ではない。同業で国内2位の日本板硝子も3位のセントラル硝子もこの字を使い続けている。
AGCのようにアルファベットを並べただけの社名は上場会社の中でも増えている。情報通信業やサービス業の新規上場会社が多いことも一因だろうが、これでは社名が記号化してしまい、事業内容や企業イメージが伝わってこない。せっかく上場しているのに、人々に会社の名前も内容も覚えてもらえないのではもったいない話だ。
山田 洋
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