トップページ ≫ 社会 ≫ 特別企画 ~水のスペシャリスト下村政裕からのメッセージ~㉓
社会
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水道のあるべき姿を考える(Think of Future Image that Water Supply should be)
~水道事業の民間活用~
前回の広域連携に続いて、民間活用について考えてみます。
まずは、水道の民営化ですが、水道のように、人が健康的に生きるための基本的なサービスの追求は、民間の営利追及の観点とは、相反するものであると考えています。企業性を発揮し続けなければならない民間企業に、水道の使命に対する議論、安全な水を安定して将来にわたって継続して地域の皆様全ての蛇口に配り続けるという公共性の確保が真にできるのか? できないとは言わないまでも、確保するためには、かなりのリスクが伴うのではないかと考えます。そして、そもそも命の水を配るという側面を持つ水道は、公共が、責任をもって果たしていかなければならない事業ではないでしょうか?
その上で、事業実施上の様々な活動に関しては、質の高い経営方針と技術力、財政力のある民間と連携してやっていくことも必要不可欠なことです。民間の得意な分野、施設の設計、建設、維持管理など、あるいは検針や料金徴収などの定型業務を、企業性を発揮させて活動してもらうことにより、水道事業とウインウインの関係で連携できる事業活動は、今まで以上に積極的に進めるべきです。
但し、水道施設を公共が所有したまま、民間事業者にその施設を運営する許可を与えるコンセッション契約に関しては、慎重にならざるを得ません。特に、水道事業運営そのものを契約することは、基本的に民営化と同様であり、絶対にすべきでないと考えています。
以上のことをさらに踏み込んで言い換えれば、水道は、地球上に生のあるものにとって、「命の水」を扱う事業であり、空気や他の自然環境と同様に環境課題の中で議論され、実施されるべきものだということを、改めて、認識する必要があるのではないでしょうか。人や動植物の命にかかわる事業は、ビジネスとしてとらえるのは間違いで、公共が責任をもって主体的に関わるべきであり、その上で、必要なたくさんの一つ一つの水道施策は、産学官の各機関と水道使用者である国民一人一人の役割を明確にしつつ、より良い連携をして進めるべきだと確信をしています。
これらに関しては、水上清悟のペンネームで書かせていただいた、「水道法の改正と民営化の問題点全8回」を見ていただければより具体的に理解していただけると思います。
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