社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
テレビや新聞、雑誌には大学教授という肩書きで多くの学者が意見を表明している。その中には大学トップとして多忙極まりないのに新聞に連載コラムを持っている人たちがいる。全部の新聞を調べたわけではないが、私が面白く感じているものを紹介したい。
まず、東京6大学で初めて女性総長になった法政大学の田中優子さん。楚々とした和服姿でテレビにも登場するから、知っている人も多いだろう。毎日新聞水曜夕刊コラムでは、総長としての各種活動に触れながら、専門の江戸文化の話に自然にシフトしていくことが多い。江戸時代については田中さんは多数の著書にて、人々の暮らし、娯楽、文学、着物、さらには芸者、浮世絵春画まで論述している。そしてこの時代を、海外のグローバリゼーションの波の中で独自の発展をとげたと評価し、鎖国という言葉は事実に即していないとしている。
コラムでも江戸時代を書きながら、それが今の日本の問題点を照射することになる。彼女の文章で江戸時代をポジティブにとらえるようになった人も多いはずだ。
東京新聞の「本音のコラム」の木曜担当は先日まで青山学院大学の学長だった三木義一さん。税法が専門なので難しい内容かと思いきや、ぐっとくだけた文体で、ギャグやダジャレも飛び出す。
消費税増税に際しての軽減税率導入で複数税率になったことには、デメリットが多すぎると断じる。税負担の格差拡大については、アメリカを例に、富裕層を優遇する方向に傾く現実を指摘する。
学長の人気満了後も弁護士としてコラム執筆を続けるという。今後もとっつきにくいテーマを分かりやすく楽しく解き明かして欲しい。
京都大学総長の山極寿一さんはゴリラの研究でよく知られた人だ。アフリカのジャングルで長く観察を続け、その報告は人々のゴリラ認識を一変させた。新聞にはコラムではなく、インタビュー等でしばしば登場する。
その山極さんがなんと、芸能人と共著で新刊書を出した。爆笑問題の太田光さんと「『言葉』が暴走する時代の処世術」(集英社新書)だ。タイトルには意外感もあったが、コミュニケーションに悩む全ての人に贈る処方箋とのことで、ゴリラともコミュニケーションができた山極さんならではの内容と言えよう。
山田 洋
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