社会
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いよいよ首都封鎖が現実味を帯びて語られ始めた。2月末週より在宅勤務・時差出勤などが実施され始めたが、感染経路のたどれない罹患者が急増している現在の状況は、もはや事態は新たなフェイズに突入したと率直に受け止めねばなるまい。
在宅勤務については職業職種によって向き・不向きがある。実施率が高まれば人の往来は劇的に少なくなり、コロナ対策としてその有効性は極めて高いが、大多数の人が同時に行えるまでには至っていない。クリアすべき課題も数多いのが実情だ。また時差出勤は、そもそもの目的として人の密集した閉鎖空間で過ごさざるを得ない時間を極力減らすことに主眼があったはずだ。ところが実際にはずらす時間帯がかぶってしまい、例えば朝の6時台や、早帰りの時間帯となる17時台の電車などで普段と何ら変わりのない混雑した通勤状況が日常的に発生している。何か狐につままれたようなもやもやとした感じが残る。
今回のようなケースは多くの人が初めて経験することであり、そこに皆が共有している行動マニュアルは存在しない。実効性を高めていくには、中身のブラッシュアップが欠かせない。見ず知らずの人にどれだけ想いを馳せる事が出来るのか。自らの利害を超えて、どこまでまとまって行動出来るのか。現代人としての鼎の軽重が問われている。首長を始めとしたリーダーには具体的対策を自らの言葉をそこに落とし込み、忌憚なく率直に語って欲しいと願う。危機にこそ、隠しようもなくその人の器が滲み出るのはこれまた世の常である。
日常のありがたさをかみしめつつ喫緊の非日常に平常心をもって対処したい。恐れるなかれ・侮るなかれ。
小松隆
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