社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
令和二年度産の狭山茶の新茶の販売が開始されてから、早くも一ヶ月以上が経過している。今年の新茶も素晴らしい仕上がりで、非常に飲み応えがある。新茶ならではの清々しい薫りは、梅雨の曇天をどこまでも真っ直ぐに突き抜けてゆく。また味も実に軽妙であり、新茶には若葉のエネルギーが隅々にまで宿っていることが実感できる。梅雨時も新茶で体調を整え、心身共々、芯からの笑顔を獲得したいものである。
ところで今年に入ってから特に、心の中を五月雨のように止むことなく流れている歌がある。それは「狭山 /茶所/ 情けが厚い」という歌詞も印象的な、志村けんさん歌唱の『東村山音頭』だ。志村さんの出身地の東村山市は東京都だが、埼玉県に隣接する地域の中では、東京都内で生産された緑茶を「東京狭山茶」と呼ぶこともある。総じて言えば、狭山茶は武蔵野の銘茶だ。
今年の狭山茶の新茶が出回る前に、志村けんさんとの永遠の別れが来ることなど、一体誰が想像出来ただろうか。新茶は不老長寿の縁起物なので、是非味わっていただきたかった。『東村山音頭』の中で狭山茶が登場する区域は四丁目だが、志村さんは今頃、天国の何丁目におられるのだろう。志村さんが身をもって世に危険を知らしめた新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、新しい生活様式も提唱され始め、情勢は変化を余儀なくされてきている。
志村けんさんはもちろん、新型コロナウイルス感染症の爪痕だけを残していった人ではない。もともとは泣きながら生まれてきた人間であるからこそ、笑いの力を何よりの活力源とすべく精進し、その貴重な生涯を通じて芸を極め遺していかれた。狭山茶も志村けんさんのように、今後も喜びや悲しみの中を生きる人々を活気づけ、暖かく和ませ続けてくれることを願ってやまない。
葉桜 こい
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR