トップページ ≫ 社会 ≫ 町工場が開発した対コロナ強力兵器
社会
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緊急事態宣言が解除されて1か月が過ぎたが、ここにきてまた新型コロナウイルス感染者が増加している。感染者への治療薬、そして予防のためのワクチンの一刻も早い開発が待たれる。それまでは他の方法で身を守るしかない。
そんな中、ウイルスを無害化する装置がにわかに注目を集めている。ものづくりの町として知られる大阪府東大阪市の機械メーカー、タムラテコ(田村耕三社長)が製造しているオゾンガス消毒器だ。
私たちが吸っている酸素(O2)から電気分解でオゾン(O3)を生成する。これに菌やウイルスが近づくと、不安定なOがくっつき、酸化分解をする。分解後はO2に戻る。生成に原材料がいらず、残留毒性もないので、安全に除菌・分解できるものとして注目されていた。ノロウイルスや重症急性呼吸器症候群(SARS)に効果があることは確認ずみで、すでに医療現場や救急車には多数導入された実績がある。そしてつい最近、新型コロナウイルスも無害化することを奈良県立医科大学などの研究チームが発表したのだ。
私の周りにも、このオゾンガス消毒器の家庭用タイプの販売を手掛けている人がおり、さぞかし商売繁盛と思いきや、表情はいまひとつさえない。注文は殺到しているのだが、品物がなかなか届かないそうだ。部品を海外から輸入していて、新型コロナウイルスの影響でその調達に支障をきたしているというから、皮肉な話だ。
その後、部品は代替品で何とかメドがつきそうとのこと。画期的な装置を開発した48歳の社長が率いる従業員三十数名の町工場の奮闘を祈りたい。
山田 洋
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