社会
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郵便はがきの料金は、昨年の秋口にまた少し上がり、63円になった。かつて郵便はがきが20円だった時代がある。そのはがきに、妻に宛てた願いを綴った、島勇作という男がいた。 島勇作は、映画『幸福の黄色いハンカチ(1977年)』の中で高倉健さんが演じた役名である。「島勇作」、通称・勇(ゆう)さんは刑期を終えたばかりの道すがら、郵便局に立ち寄り「いくらですか?」と、はがき一枚の料金を確認する。よんどころなき事情により、勇さんが刑に服している間にも時代は移り変わるものであるため、郵便料金が少々上がっていてもおかしくはない。新しい生活のスタートの日に、はがきの「今」の料金を真っ直ぐに確認する勇さんの姿勢は、後に彼を幸福へと導くこととなる。
新しい生活様式が始まり戸惑うことも多い日々だが、勇さんのように一つずつ新しい時代の扉をノックしながら進むことは大事だ。例えばレジ袋の有料化は特にコンビニで混乱が生じやすいのが現状だ。レジ袋を購入するなら、勇さんをならい「いくらですか?」と真っ直ぐに確認するのも良いだろう。また、もしも勇さんがマイバッグを持っていたならば、そのバッグの作成者はもちろん、倍賞千恵子さん演じる妻の光枝である。バッグの素材はハンカチだ。光枝が勇さんを迎えるため、約束通り空高くに掲げて合図に使った、たくさんの黄色いあのハンカチだ。
新しい生活様式は新しい生活習慣のスタートである。慣れるまでしばらくの間は、時代の変化の質や流れに追いつきづらく、不安や混乱との戦いでもある。
それでも「よし自分も、かけがえのない「今」を一つずつ積み重ね、愛を持って新しい時代を生き抜いてゆこう」、そんな意欲がわいてくる『幸福の黄色いハンカチ』という不朽の名作に出会え、それこそ幸福である。
葉桜こい
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