トップページ ≫ 社会 ≫ 40周年を迎えたヤンチャ漫画雑誌
社会
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ちょうど15年前まで私が編集部の一員だった「週刊ヤングマガジン」が創刊40周年を迎え、記念イベントをラフォーレ原宿でやっていた。会場には40年間に掲載された作品が紹介され、見覚えのあるシーンに見入った。
この編集部に異動したのは30年近く前。講談社内で有数の稼ぎ頭部署だったが、ガツガツしたところがなく、開放的な雰囲気だった。編集長もゆるーい感じの人で恐妻家として知られていた。競馬とキャバクラが大好きなので、奥さんが常に目を光らせていたのだろう。でも、漫画への眼力は独自のものがあり、漫画家発掘のための新人賞選考会議での発言は興味深かった。
読者は高校生から20歳ぐらいまでの男子が中心だったが、女性読者も少なくなかった。『AKIRA』(大友克洋・作)や『攻殻機動隊』(士郎正宗・作)のように近未来の日本を描き、アニメ化でも高い評価を受けた作品もあったが、真っ当とは言いがたい若者を描いた漫画が多かった。不良高校生、暴走族、ヤクザ、ギャンブラーなど上昇志向とは無縁の主人公が続々登場する。同誌最大のヒット作も、喧嘩に明け暮れる高校生たちを描いた『ビー・バップ・ハイスクール』(きうちかずひろ・作)だった。
彼らの破天荒な行動が読者の共感を得て、雑誌自体も、連載をまとめた単行本も好調な売れ行きだった。格差社会が今よりも顕在化していなくて、自由な生き方を認める世の中だったことも確かだ。
現在の同誌掲載のラインナップを見ると、賭博漫画『カイジ』(福本伸行・作)以外は全部入れ替わっている。以前からの作者が新しい作品を手掛けているケースも見られる。40周年イベントのキャッチコピーが「やんちゃ、足りてる?」だったから、昔のトーンはまだ残っているようだ。
山田 洋
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