社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
先だっての学術会議選定メンバーの政府の不受理の問題は、未だ相当大きく世間を騒がせている。歴代政権が過去からの経緯も踏まえて様々な判断から行使してこなかった事例に躊躇なく踏み込む政治手法は、前政権に端を発した新しい政権の運営方法といえよう。
政権の持っている権力は絶大である。特に世界大戦の敗戦国となった日本は戦後、長い年月に渡りこの公権力の行使について抑制的であるべしというのが政治の世界のみならず国民の間でも深い次元で含意されていたと感じる。時に権力とは自ら制御不能に陥り、破滅的暴走をしでかしかねない。その結果、血のにじむような労苦を背負わざるを得なかった先達が厳しく目を光らせていた間においては。
政治家なら野中広務しかり、亀井静香しかりこの国を愛すればこそ、こうした政治的振る舞いは脈々と受け継がれてきた。
戦後75年、とうに戦争を直に知らない世代が社会の中心となり久しい。昨今の内閣支持率の推移を見ると民意の意味合いそのものが
大きく様変わりしている事を感じざるを得ない。過半がおかしいと感じる政策が実施されても、それが内閣支持率には必ずしも直接反映しない。
20年前の森内閣末期に内閣支持率は10%を割るまで下落した。この頃まではまだ政策の評価と支持率が相互に連動していた証左である。
今の世論は随分と様変わりした。雨が降ろうが槍が降ろうがコアな支持層は動かない。私自身はこの質的変化がなぜ起きたのか原因を未だ明確には掴めていない。
ただこの内閣支持率と実施される個々政策の支持率がリンクしない現状について違和感を持っている。政治は実施される政策の成否によって評価するのが合理的なのではないか。もしその評価軸がないがしろとなれば極端な場合、政権の暴走を止める術を失ってしまう事にもなりかねない。政治家は国民の評価には敏感に一喜一憂するものである。これは昔も今も、そして未来も変わる事はあるまい。
その評価の質について我々はもう一度大先輩の背中から学び直す必要があるのではないだろうか。
是々非々、大事な心構えと思う。
小松 隆
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