社会
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コーヒー生産国といえば誰もがまず頭に浮かぶのがブラジル、今も昔も変わらない不動のNO1は揺るぎないが、その地位に安住することなく営為な努力が積み重ねられているようだ。
世界で年間生産されるコーヒー量はざっと1,000万トン規模(1兆杯/1杯10g換算)その内、ブラジルは350万トン前後を生産している。
過去を遡ると、1995年の生産量は約170万トンで現在の約半分程度、裏を返すとこの30年〜40年で製造量を倍にした格好だ。
生産量増加を目指した農園の大規模化、品種改良による収率の向上など質より量を重視してきた過去はあるものの近年新しい動きとして、収穫方法については未熟豆の混入が避け難い、枝から豆を一斉にしごきとるピッキング方法から一粒ずつ選別して収穫する手摘み方式への変更が図られるなどなど、品質向上を目指した取組も始まっている。
注目は収穫量第二位のベトナムだ。2000年以降この地位をずっと確保しているベトナムは選別方法(夾雑物を取り除く過程)の機械化等を進めることで順調に製造量を上げてきた。
ただ製造の95%は価格が安いロブスタ種であり、またその過半は加工されず生豆の状態でアメリカ・欧州・日本に輸出されているのが現状だ。コーヒービジネスをグローバルチェーンの視点からみると現時点では世界的コーヒー企業への安価な生豆供給者の立ち位置にある。
ベトナム国政府としても自国内でのコーヒー加工分野への進出は大きな課題として掲げており、国内向けレギュラーコーヒーや外国向けインスタントコーヒー分野を牽引役にコーヒー事業における裾野の拡大を着実に開始している。
上記2ヶ国については生産国としてその存在感を余すことなく示しているが、一方かつては良質な高地豆の生産国であった中米のホンジュラスやメキシコなどはその生産量、単位当たり収穫率ともに大きく落としている。商社、大手コーヒーメーカー情報筋によれば今後、品質の安定したコーヒーの輸入量を確保していくにはいわゆる勝ち組と称される生産国との現地化も含めた一体となる継続的取組が不可欠といわれているようだ。
今後も良質なコーヒー原料の安定的供給がもたらされるには生産者への切れ目のない収入が確保されるサイクルの確立が喫緊の課題となる。
生産されたコーヒー豆のクオリティーが客観的に評価され、また価格にきちんと反映させる開かれたシステムの構築は生産者の意欲を高め、また家族を安定して養っていける継続的事業としての根幹を支える柱となり得よう。
世界第4位のコーヒー消費大国、その日本の企業による生産者と対になった動きが端緒を開き始めている。
息の長い取組を期待したい。
小松 隆
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