文芸広場
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「アロマテラピー」
「アロマ」はラテン語で「芳香・香り」、「テラピー」は「治療・療法」を意味します。「アロマテラピー」は自然の植物から抽出した精油を使い、その香りと力で心と体を癒し健康や美容に役立てる自然療法です。
私はアロマオイルを使ってリンパ液の流れを促す「リンパドレナージュ」というトリートメントを勉強しました。これはマッサージとは違いグイグイ押したり揉んだりするのではなく、掌に数滴のアロマオイルをつけてそっと撫でるように皮膚をゆらしリンパ液を流してゆきます。これによって身体のむくみが改善されるのです。
「手当て」という言葉がありますが、人は人に触れられることで、癒しを感じることがあります。これは物理的なことだけでなく心への作用もあるのです。緊張している時、悲しい時、怒っている時、誰かがそっと肩に手を置いてくれると、ほっとして力が抜けたりします。身体が温まり、心を温めてくれます。
義父は、亡くなるまでの四年間、パーキンソン病を患い、それからというものほとんど寝てばかりで楽しいことをしようという意欲がわかないようでした。けれど私がラベンダーのオイルを使って義父の足にトリートメントをすると、とても喜んでくれました。亡くなる前の日にお見舞いに行った時にも、亡くなってから家で最後のお別れをする時にも、私はラベンダーのオイルで義父の足にトリートメントをしました。ラベンダーのオイルを使っていたのは、ラベンダーの精油にリラックス効果がある事もありますがそれに加えて、義父と義母が以前に北海道に旅行に行った時に富良野のラベンダー畑で撮った素敵な写真が印象にあったからです。アロマは匂いを嗅ぐことで脳へ、皮膚からは血液に働きかけてゆきます。懐かしい香りを嗅ぐことで、リラックスして幸せな気持ちになるのです。ですから、人それぞれに懐かしい落ち着く香りがあるはずです。ハーブやミントの香りにあまり馴染みのない高齢の方は、懐かしさのある蜜柑の香りにほっとするようです。
どうでしょう。アロマに少し興味を持っていただけましたか?皆さんもアロマを使って身近な人の身体と心を癒してみてはいかがでしょうか。
夫の手の肩に優しくあたたかし 平尾美緒
春の宵お風呂にアロマ数滴を 平尾美緒
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