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社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
先日の森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会前会長をめぐる一連の騒動は、ひとまず沈静化が図られたかに見える。今回の件は意図せぬ形で現在の日本が抱えている諸問題を、非常に見え易い形で浮き彫りにしたといえる。決して皮肉な物言いではなく、今後の我が国の有り様を考えていく上で、論点が明確化されたと前向きに捉える事すら可能なのではないか。
企業における女性の待遇が不十分との指摘に対して、その当事者自身の昇進などへの消極的な姿勢にも問題があるとの反論を少なからず耳にする。真正面から問題を見据え、真摯に解決策を模索していこうとする意欲の感じられないシニカルな反応である。
昔話の誹りを免れないのは承知だが、かつての日本では一旦新卒で入社したら最後、定年までその会社で勤め上げるのが普通、また転職などもっての外との世間の目が存在した。その中で、会社がその人の存在意義そのものとなり昼も夜もなく、土日もなく、家族も顧みず、一身に身を賭すことが美徳とされ、また評価される時代が確実にあった。若い世代の方には嘘のように感じられるかも知れないが未だこのような価値観は世の中から完全に滅びたわけではないだろう。だからこそ、自意識の塊のような人々から、今回のように呪いの言葉の類として繰り返し発せられることになる。
社会は器によっても変わっていく。まず上場企業からでも管理職の女性比率を引き上げるなどの施策を具体的にスケジュール化し、実行に移す事が必要と考える。現実が理想を引っ張り、具体化していく方法が求められている。
2020年版世界経済フォーラム(WEF)発表による「ジェンダーギャップ指数」によれば、日本は153ヶ国中121位と惨憺たる評価を受けている。女性男性を問わず、この評価を看過するような態度はもはや許されまい。
社会における疎外はあらゆる人々の精神を確実に蝕んでいく恐ろしいものである。包摂の精神を大切に、より良き社会の実現に向けて、足並みを揃え邁進していきたい。
小松隆
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