第一生命保険株式会社が3月17日に全国の小中高生3000人を対象に行った「大人になったらなりたいもの」ランキングを発表した。今年は、例年人気の職業をおさえて「会社員」と選んだ子どもたちが増えた。

大人になったらなりたいものランキング　　※すべて第一生命保険株式会社調べ

小学生

　※女子の第４位に会社員がランクイン　　　

中学生

高校生

ちなみに、前回はどうだったのか調べてみると

2019年度

であった。

会社員がランクインするとは。なれる、なれないは別と考えても憧れる職業がないとは、何とも悲しいと最初は率直に思ってしまった。中高生にもなると、より現実を見据え、夢よりも安定を求めるのはある意味納得の結果ではある。しかし、小学生にまで安定が求められるほど世の中は変わってしまったのか。ここ数日この答えが出せずにいたが、こうも考えてみたら合点した。それは、子どもたちに親が仕事をしている姿を見せられたことにあるというものだ。華々しい世界の職業は新聞、テレビなどで見ることができるが、世の中大半の職業である会社員の仕事はなかなか間近で見ることはない。今回、コロナ禍の自宅で仕事する姿を見て変化が生まれた。最近では育メンと呼ばれるお父さんも増えてはきたが、まだまだお家にいるときはゴロゴロ何もしない姿しか見せていないお父さんもいるでしょう。仕事姿を見せたことで、こんなにもカッコいいんだ。と実体験した。言うなれば、親をリスペクトした結果の表れだともとれる。

コロナウイルスはマイナスなことしか運んでこないと思っていたが、いい事もあったと言えるのではなかろうか。

最後に、「サラリーマン」がなりたい職業ランキングに入っていたのを遡って調べてみると、平成元年から3年までのバブル期であった。おそらくこの時期に選ばれた理由は、今とは違ってサラリーマンのアフターファイブがとても楽しそうに見えたのだろう。

緑川艶子