トップページ ≫ 社会 ≫ 秩父谷の決戦・苦節八年の北堀氏制す
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
秩父谷の決戦・苦節八年の北堀氏制す
2021年04月19日
秩父市長選が終わった。
秩父は栗原稔市長に3回挑戦した久喜邦康氏が3度目の正直で雪辱を果たし、今回の戦いも北堀篤氏が3度目の戦いということでこの前例通りになるのではないかという声もあった。しかし、選挙はそう簡単なものではない。選挙前の2ショットポスターの掲示合戦、続いて本番中の確認団体ポスターの掲示合戦、出陣式に街頭演説、打ち上げ式と3名候補出馬とはいえ、事実上の一騎打ちで、それぞれの場面での両陣営一喜一憂があった。
現職久喜氏は大野知事との2ショット、最終日は知事から参議院に転身した上田きよし氏が応援に。一方北堀氏は自民党の推薦を受け、2ショットは河野ワクチン大臣、連日古巣の埼玉県議会自民党県議団がマイクを持ち、最終日は自民党参議院議員会長の関口昌一氏、自民党埼玉県連会長の前文科大臣柴山昌彦代議士、元地方創生大臣全国比例埼玉県連所属片山さつき参議院議員がまさに絨毯攻撃だった。2022年は参議院の改選にあたり、埼玉選挙区では関口氏と上田氏は争うことにもなり、両氏とも意地の戦い。この背景も影響があったことは否めない。
久喜氏は医師であることを強調し、「コロナからみんなを守る」「コロナを収束させ明るい秩父を取り戻す」ことがスローガンだったが、あまりにも当たり前すぎ、現職として「取り戻す」という言葉を使うこと自体発信力が弱かった。ポスターは秩父の萌黄色の山々の埋没するグリーンであったことも失速となったし、リーダーの条件の基本、明確なビジョンが必要であることから広報としてはダメージ。一方北堀氏はオレンジと黄色の配色がインパクトとなって、「アフターコロナの経済対策を国・県と連携してやり抜く」「財政県下40市中最下位という汚名返上」全面に出した。イメージ戦略では北堀氏の作戦が功を奏した。
久喜氏は経済団体、医師会、町会、市議団をまとめ、負ける要素がないということであったが、旧態然としたトップダウンの戦略は通用しなかった。いつの時代も歴史を創るのは住民の草の根パワーということを証明した一戦であった
伊勢谷珠子
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR