文芸広場
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「カラオケ」
カラオケという言葉が世の中に広がったのは1970年代です。カラオケの「カラ」は「空」、「オケ」は「オーケストラ」の略で、生演奏ではなくレコードやテープで「伴奏」のことです。
カラオケの出始めた頃は、スナックなどの飲み屋に、カラオケの機械が一台置かれていて、そのお店に来ている他のお客さんたちと順番を待ちながら、自分のリクエストした曲を歌っていました。ですから、自分のリクエストした曲がかかるまで、知らない人の歌を聴くことになります。お付き合いで手拍子をしたり、合いの手を入れたりして、同年代の人とは盛り上がりましたが、お父さん世代の方の、初めて聞く曲はなかなか苦戦をしていました(笑)。今思えばそんな時代もそれはそれで楽しい思い出です。
最近は、カラオケボックスが主流になってきましたので、友人と行くことがほとんどですが、ここでも、カラオケの楽しみ方は人それぞれです。自分が歌う曲を選ぶのに夢中になっている人、自分は歌わなくても楽しそうにしている人、人がリクエストした曲を自分が中心となって歌ってしまう人、お喋りに夢中になっている人、退屈そうな人、眠ってしまう人、踊る人。そこは、皆がそれぞれ抱えている日頃のストレスを発散出来る場所であり、楽しみ方は人それぞれで良いのだと思います。
せっかくですからカラオケに行くなら、自分の十八番を一曲くらいは作っておきたいものですね。けれどその曲を先に誰かに歌われてしまうと、とても焦ります。私の主人はいつもサザンオールスターズの曲を歌うのですが、おかしなもので、サザンの曲を歌う人はたいてい桑田佳祐の歌い方を真似て歌います(笑)。
カラオケの帰り道、必ず思うことがあります。「ああ、あの歌を歌えば良かった~」と。みなさんも経験がありませんか?
この頃は「お一人様」という言葉が流行っていて、一人焼肉、一人ラーメン、一人牛丼、一人鍋などもあり、一人カラオケに行く人もいます。お一人様は確かに、気を使わなくて良いし気楽です。でも、私はやっぱり気の合う仲間と一緒に楽しく盛り上がりたいです。ノリノリの曲を次々に歌って盛り上がり、ストレスを発散したり、しっとりとしたバラードや泣ける歌で涙したり、懐メロで懐かしんだり。それで、その時の友達の心境や抱えている悩みがわかったりすることもあるのです。自分の抱えている問題に気付いてもらえることもあります。私にとってカラオケは、友人との大切なコミュニケーションの場になっているような気がします。なんだか、カラオケに行きたくなってきましたね。
晩秋やポールの歌ふイエスタデイ
平尾美緒
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