トップページ ≫ 社会 ≫ 予見できなかったのか カオスと化したアフガンの混乱
社会
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4月14日のアフガニスタン完全撤退発表から僅か4ヶ月。7月から本格撤退が始めるや否や、タリバンは各地域の実権をあっという間に掌握。ガニ政権は戦うことなく崩壊した。
911テロから20年、この節目の年に大きく様変わりした世界の政治力学に対応、即ち対中国へリソースを傾注する為の政治的決断を行ったバイデン大統領にとって、この悪夢のような結末は、果たして想定内の出来事だったのだろうか。その可能性は低く、であれば大統領に具申された情報自体に重大な瑕疵があったと言わざるを得ない。また予見した上での決断だったとしても、いずれにせよその幕引きの方法について結果責任が問われるのは避けられないだろう。
パックスアメリカーナ、アメリカがもたらす平和には民主主義や人権をあまねく国々に行き渡らせようとする、アメリカ国家の在り様が象徴されていた時代があった。しかし徐々に時代の潮目は変わり、トランプ前政権時代にはアメリカファーストという自国問題優先主義が大きく支持を受けることになった。自国問題優先主義とは裏返せば世界の警察官の地位から降りるとの意志表明であり、また圧倒的な世界覇権国家から比較相対第一位の国に静かに移行していく事に国民の合意があったといって良いだろう。その点の流れ自体はバイデン政権に移行しても大きくは変わっていないと推察される。
今後タリバン政権の樹立を前にして、早速女性の権利尊重の姿勢を打ち出すなど20年前との姿勢の違いを積極アピールしているが、時計の針を逆戻りさせてこの地が再びテロ組織の温床となる事だけは国際社会の総意として絶対に避けなければならない。
アフガンについてはアメリカ、中国、ロシアはそれぞれに歴史的なパイプを持ち合わせている。また政治的秩序が保たれる事はどの国にとっても望ましい状況であり、他の問題と異なり対立点も少ない。大同小異で手を組み、睨みをきかせられる政治的妥結を見出してもらいたい。
小松隆
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