社会
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今回の自民党総裁選、河野氏が党員票ではかなり優勢との下馬評があったが、実際にはそこまでは伸びず、また国会議員票では3位と厳しい結果となった。まさに好事魔多しなのか、直情型の性格は、河野氏の国民的人気の源でもあるが、逆に議員からの支持はそれが災いしたのか拡がりを見せなかった。
ただ今回の結末、河野氏にとって決してマイナスばかりではない気がしている。議員間での不人気というつきつけられた現実を、恐らく予定調和を嫌う河野氏の姿勢が疎んじられたからだと世間は受け止めただろう。逆説的にいえばそのマイナス評価は時代の要請で振り子のようにプラス評価に転じ、待望論が出てくる目は将来的に大いにありそうだ。
ところで筆者は現実的な政治選択は保守主義しかないと考えている。国を愛し、郷土を愛し、またその伝統文化を大切に守り育てていく事は、社会を根幹から支えるよすがである。ただ保守主義は様々なひずみを包摂する寛容な精神も同時に持ち合わせていなければならない。
長く続いた新自由主義的な経済政策で、拡大してしまった富の偏在した社会から、改めてかつて日本が誇った分厚い中間層を持つ社会の実現を目指すのは望ましい動きだ。国が社会保障として下支えするのか、はたまた企業・労働者間での配分で賄うのかについて今回候補間で若干の方法論の違いはあったようである。
またエネルギー政策については、太陽光や風力など自然エネルギーへのシフトは理想ではあるが、現実的にこの国の必要とする電力を恒常的に賄っていく為に、LNG、石炭、地熱や水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーと共に原子力も活用していく必要があるだろう。徹底した安全対策を前提として、使用許可の出た施設は稼働させるという選択はエネルギー政策全体を中期的に俯瞰した場合、政治的決断として必要であると考える。
政治は良くも悪くも妥協なくして成り立たない。岸田氏には上記の政策を始め、その実現に邁進して欲しいと願う。
小松隆
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