社会
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現行憲法下で初めてとなる任期満了での国政選挙、政権が代わったばかりのこのタイミングで、民意はどのような形で示されるのだろうか。
1996年、従来の1選挙区3〜5名の当選者を決めていた中選挙区制から1選挙区1名の当選者という小選挙区制に移行。併せていわゆる死票によって失われる民意をすくう目的で比例代表制もその制度に取り入れられた。
現在衆議院議員484名を小選挙区289名、比例代表176名を選ぶ内容となっている。
本来議員にとって選挙区、地盤はその活動の礎として欠かせないものだが比例代表の選出議員はそれを持っていない。また両方に立つ議員が選挙区で負けても、比例代表で救われる制度については何か釈然としないとの思いを持つ人も多いだろう。
もともと中選挙区制から小選挙区制への移行は、派閥政治、金権腐敗政治から脱し、ドラスティックな政権交代をより可能とする為に取組まれた制度改革だった。それからはや25年、実際の政権交代は旧民主党政権の1度きり。そのあとは自民公明の連立時代が当然のように続いている状況だ。
執行部の意向に沿わないものは政権中枢から露骨に遠ざけられる。党公認という議員にとって生殺与奪を握られたような状況の元、こうした事例は小選挙区という制度でより顕在化したように思う。例え政敵であれ優位な人材は政権に入れて働いてもらう。こうした度量を持つリーダーもまた、人物を鍛え、磨かせる制度でもあった中選挙区時代と比べて、育てあげる環境が確実に失われているように思える。
今回はさほどでもなさそうだが、時の風が全てを決するのではなく、日頃から、どぶ板を厭わず地道に政治に取り組んでいる人物を選良とするのは我々の責務でもある。また今後の大きな課題として、改めて選挙制度の見直しについて本腰を入れて取り組む必要がある。国家百年の計に直結するこの課題に党利、個々人の利害を超えた叡知の結集が望まれている。
小松隆
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