社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
プーチン大統領はロシアの政治家として、既に国語辞典にその名が掲載されている。今後、何か書き足される可能性が高まっているが、それも刻一刻と変化する社会情勢次第である。
国語辞典の監修といえば金田一秀穂先生だ。金田一先生は、「コロナ禍」における言葉の無力さを新聞各紙で何度も訴え続けているが、共感出来ることばかりだ。「緊急事態宣言」「ステイホーム」等々。それらは人々に広く知られてはいるものの、残念ながら芯からの浸透にはほど遠い。国民も、政府から統制力を欠いた言葉の濫用を浴び続けてゆくことにより、人としての大切な感覚を徐々に麻痺させてしまうおそれがある。
かつてマスメディア用語に大きな疑問をおぼえ、意識的に使用を控えていたことがあった。マスメディア用語からは、言葉を安易に生み出しては使い捨てにしてゆくような趣のなさを感じ、強い抵抗があったのだ。言葉は重ければ重いほど良いというものでもないが、軽いものばかりでは相当むなしい。
一昨年の流行語大賞では、コロナ絡みの言葉が続々と入賞していた。「三密」は大賞にまでなったが、実際の使い心地となると微妙なのである。内容が内容だけに、ということもあるだろう。コロナにまつわる他の言葉たちも無防備には使い難く、そもそも「コロナ」だってそうなのだ。
政府からの言葉たちには、昔マスメディア用語からおぼえた疑問に近いものがあり、情緒的にはいただけない、というのが正直なところだ。人と人とをつなぐには、あまりにも寄る辺ない。
とは言え、一度は疑問をおぼえたマスメディア用語や政府からの言葉に対し、抵抗をするだけでなく、もっと折り合いをつけて世の中を見たいとも思っている。
金田一秀穂先生は、言葉はよく使われることによって、その質が高まっていく、ということも語られていた。心して使い続けることで、質を高められる可能性だって残されているはずだ。
言葉は命。人の身に、そして心に伝わるような言葉を育ててゆきたいものである。
葉桜こい
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