社会
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紫陽花はカラフルな花と言われるが、ランドセルの色も今やカラフルの代名詞となっている。
昭和のランドセルの色は、スタンダールの小説のように「赤と黒」が中心だった。小説の中で赤と黒とが表しているものには通説がある。たとえば、主人公のジュリアンが出世の手段にしようとした《軍人》の服や流血の色が「赤」。《聖職者》の服・法衣の色が「黒」、といったものだ。
ところで、軍人とランドセルとは歴史的にも深い関係性がある。
もともとランドセルは「背嚢(はいのう)」と呼ばれ軍人が背負って使っていたものだった。明治時代に通学カバンとして取り入れたのが東京の学習院。それは「学習院型」と呼ばれ、ランドセルのルーツとなっている。
平成以降、すっかりカラフルになり、昔よりずっと自由なイメージになったランドセル。しかし、実際に毎日使用している小学生たちは、楽しい気持ちだけで過ごしてはいなかった。「脱ゆとり教育」により、教科書も重量化し、重過ぎるランドセル使用による健康被害、通称「ランドセル症候群」の子供が増えていたのだ。
そのため、栃木県の双子の現役小学生が「さんぽセル」を考案し話題となった。そのアイデアは、ランドセルをキャリー化するという斬新なものである。ただし、まったく背負えなくなるのではない点もよく考えられている。
紫陽花の咲く通学路を、ランドセルを背負ったりキャリーで運んだりしながら、小学生が往来する姿は良いものだ。
梅雨もやがて明けるように、義務教育の期間もまたたく間に過ぎてゆく。子供たち一人一人が望みの色になってゆけるよう願うばかりである。
葉桜こい
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