社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
この新聞社ならこう、あの出版社、サイトならこう、それだけで書かれている内容が推測出来てしまう記事が増える一方だ。出版部数減少に歯止めがかからぬ中で、コアな読者層の価値観におもねる一辺倒の記事も目立つ。特にその傾向は政治に関するもので顕著だ。
ここ十数年、テレビ局も含めて公権力による個別番組、また記事内容への直接の抗議、ひいては放送法を脅しの道具として、相手を委縮させようとする手法が半ば公然と行われてきた。一方それに対する世間からの反発はさほどではなかった。ひと昔前なら公権力の濫用として社会からの反発はそれ相応だったろうに。
翻ってみるとこうした傾向は一強政治体制による選択肢の欠如、また支持者層が岩盤のように厚く、個別政策の善し悪しが時の選挙に反映しづらくなる中、加速度的に進んだものと思われる。
選挙は選択の繰り返し、有権者の鵺的な態度は許容されず、各政党の個々主張に重みづけをして、総合的に判断、その上で選択という意思決定をしなければならないもの。
さて報道機関に求められるものもそれと軸を一にするべきなのだろうか、私は異を唱えたい。同じ新聞社、出版社内でそれぞれの編集方針はあろうが、それでも冒頭の如く、出自のみで記事の内容が透けてしまっている状況は情けない。その域を超えそれぞれの記事が屹立してこそ、初めて社会に対する問題提起がなされるのではないだろうか。
多様な切り口、また多方面に渡って筋の通った記事を継続して提供出来る人材の確保、報道機関は今その力量について鼎の軽重が問われている。この問いに対して、新たな時代に即応した気骨ある当世流ジャーナリズムの登場に期待したい。
小松隆
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