8/24より東京電力福島第一原発処理水の放出が開始された。2021年4月、当時の菅総理が政府方針として廃炉実現の過程で避けては通れない課題として決定した流れを受けて、今回実施となった。

すぐに環境省が、放出場所より40キロ以内11ヶ所の海水を測定、放射性物質トリチウムについて全ての場所で検出下限値を下回り、人、環境への影響はない事が報告された。当面の間、毎週測定を実施し、その内容報告が逐次行われると発表されている。

また福島県、そしてIAEA（国際原子力機関）も独自に分析を行い、同じく放出基準を大きく下回っている事がそれぞれ確認された。

さて一方中国は、「日本政府は国際社会の強烈な疑問と反対を顧みず、一方的に核汚染水の海洋放出を強行した。中国はこれに断固として反対と強烈な非難を表明する」と即座に声明を発表。日本からの水産物を全面禁輸とし、矢継ぎ早に食品業界に対し、日本の水産物の加工や調理、販売を禁じるとの追加措置も発表した。

科学的には、今後1年間の間で放出される福島第一原発由来のトリチウム総量は22兆ベクレル未満の予定。この数値は中国、韓国、また欧米各国原発それぞれから放出されるいずれの量と比較しても相当程度少ないのは事実である。

小松隆