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5月5日にさいたま市長選挙が告示され、現職と新人3人が立候補したが、4年前の市長選に比べて熱気に欠ける気がする。前回は、旧浦和市時代から数えて5期も市長の座にあった相川氏と元国会議員ら5人の新人が激しくしのぎを削った結果、投票率は前々回に比べて7%以上伸びた。4年に1度、市政への関心を高める絶好の機会だけに今後の盛り上がりを期待するしかない。
それには、現職に挑む新人候補たちの奮起が欠かせない。しかし、告示日に張り出された選挙ポスターを見て脱力した。現職の清水勇人市長への1番の対抗馬と目される長沼威氏のポスターは安倍晋三首相とのツーショット、しかも首相のほうが前で大きくおさまっている。
円安、株高で目下のところ勢いに乗る首相の人気にあやかりたいというのは無理からぬところだが、このポスターでは自らの存在感すら薄めかねない。ポスターを見て「保護者付き立候補か」とつぶやく人もいた。長沼氏は長らく地方議員をつとめていたそうだが、地方自治とか地方分権ということをどう考えているのだろうか。人口124万人の政令都市の首長をめざす覚悟やいかに?
告示日の午後、大宮駅西口での長沼氏の街頭演説には多数の人が集まっていた。その人たちの拍手は、候補者自身よりも応援にかけつけた公明党の山口那津男代表のほうにより多くされていた。そこで渡されたチラシには「さいたまを3本の矢で、取り戻す」との決意表明が記されているが、目新しさはいまひとつだ。
その点、明瞭なプランを提示しているのは元さいたま市議の吉田一郎氏だ。A4判8ページのパンフを全戸配布したり、告示前から毎日、街宣車を繰り出し、かなりの音量でテープを流していた。同じテープを何度も聞かされたので、埼玉高速鉄道線の岩槻までの延伸に反対というのがメインスローガンだということは分かった。
延伸をやめて、春日部で東武野田線を地下鉄半蔵門線や日比谷線に乗り入れさせる案だ。ご本人はこの案にかなりの自信を示しているが、当事者たる岩槻の人々や東武鉄道の意見については言及していない。大きな事業計画については、その辺をもっとつめなければ、絵に描いた餅にすぎない。
選挙戦開始というのに少なくない人々が抱くこのトホホ感、投票率低下につながらなければよいのだが。
(山田 洋)
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