トップページ ≫ 社会 ≫ ごみ問題には思いやりが問われている
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
さいたま市内の町会での地域ごみゼロ活動に参加した。土曜日の朝であったが、30人ほど集まったであろうか。手袋と可燃、不燃のごみ片付け用に2枚の袋が配られ、担当エリアを歩いてごみ拾いを行った。さほど大きなごみはなかったが、住宅地であるにも関わらず、たばこの吸い殻の多さに唖然とした。喫煙できる場所が少なくなり、喫煙者の肩身の狭い時代となったが、喫煙マナーは別問題だと思う。
「塵も積もれば山となる」の通り、住んでいる人が多ければ生活の証としてごみもまた多く排出される。さいたま市の人口は124万人を超える。昨年平成24年度のさいたま市の年間ごみ総収集量はおよそ42万9千489トン、市民一人当たり年間345キログラムとなっている。また、さいたま市の平成24年度ごみ処理経費は157.7億円、市民一人当たり12,680円の予算額となる。地方自治体にとって処理施設、処理方法など予算額も大きいことからごみ問題は深刻である。
地方自治法第227条では、「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる。」とされている。
今後県内でも今後ごみ処理有料化の自治体が増えてくる可能性も否めない。
平成24年3月現在、埼玉県内の63市町村のうち、加須市、幸手市、蓮田市、白岡市、秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町の10市町がごみ処理費有料化を行っている。ここで確認する点がある。現在埼玉県内の市町村で指定ごみ袋を扱う自治体もあるのだ。勘違いしてしまいがちであるが、先に挙げた10市町以外は指定袋にごみ処理費用は含まれてはいない。
そもそも一般家庭ごみの処理有料化は、住民に対するごみの排出量の抑制、ごみの分別と再利用を促進し、ごみの減量化を図る目的として誕生した制度である。
さて、ごみ処理有料化を実施したある自治体担当者から、「有料化当初は確かにごみの排出量が減り政策効果があったように見受けられた。しかし、人口にそれ程の変化が無いにも関わらず、ほんの数年でごみ排出量が制度導入前と変わらなくなった。むしろ遠慮なくごみの量が増えてきているようだ。」と話を聞いた。何が起きているのだろうか。住民の心理に、料金を支払っているのだから処理してもらうのは当然であり、ごみ減量意識など無くなってきているのではないのだろうか。
ごみ減量化を図るための目的とした政策がもろくも崩れてしまった実態である。
駅のごみ箱、街のコンビニエンスストアなどで「家庭ごみご遠慮ください」のメッセージを目にしたり、山奥の不法投棄を耳にすると日本人のモラルを問い直さないといけないのだろうか。「ごみのポイ捨ては心のかけらを失ってしまう」のではないのだろうか。
環境のため、資源のため、地球のための「思いやり」を浸透させなければいけなかったのかも知れない。どんなに文明が発達していっても、人が生活していく上でごみ問題は切り離せない問題である。
私達は姿勢を正し、地球の一員として、ごみ問題にきちんと向き合うことが必要だ。
(白坂 健生)
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