トップページ ≫ 社会 ≫ 社説 ≫ 福島県の首長選挙にみる不作為の罪
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今年の4月に入ってから、福島県内の市町村の首長選で現職が新人に敗れる選挙結果が続いている(郡山市、富岡町、いわき市、福島市、二本松市、広野町)。復興の遅れと原発事故に怯える市民の怒りが、身近な市長、町長に向けられたと見る向きもある。一方、10月の宮城県知事選では「復興加速」を掲げた村井嘉事が大差で3選を決め、多くの犠牲を出した岩手県南三陸町でも佐藤町長が「復興の流れを変えるな」を合言葉に3選されている。新聞の論調は一連の審判は、国が主導する復興政策の遅れに対する怒りにほかならないというが、果たしてそうだろうか。与えられた状況においての首長のリーダーシップが、審判を受けたのだと考える。
政治とは、与えられた権力をいかに住民の幸福のために行使するか、に他ならない。国のせい、県のせいにして何もしないのは、間違った判断をすることより悪いのではないだろうか。
政治家と官僚の違いは、政治家は作為の罪(なにかを行う罪)より不作為の罪(やるべきことを行わない罪)の方が重い。特にリーダーという地位ににあるものにとって最も避けなればならないのが「不作為の罪」である。一連の選挙結果は、首長のリーダーシップに対する住民の審判であろう。
(小林 司)
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