トップページ ≫ 社会 ≫ 浦和レッズ問題―ダイバーシティ(多様性)を考える契機に
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
3月8日の埼玉スタジアムで行われた浦和レッズの試合で、一部サポーターが掲げた「JAPANESE ONLY」の差別的横断幕について、昨日13日Jリーグは浦和レッズに対して無観客試合の開催などを含めた制裁処分を発表した。この人種的差別を含んだメッセージが埼玉スタジアムに掲 出されたということは、埼玉県、そしてさいたま市、浦和にとってイメージダウンにつながる残念な出来事であった。
スポーツに限らず、自分以外の価値観を認めない排他的な考え方や行動というものが、社会に対していかに大きな禍をもたらすか考える必要がある。人種に限らず、性別・宗教・障害そして価値観、ライフスタイル。こういったものの多様性(ダイバーシティ)を受け入れ、すべての人が最大限能力を発揮できる環境を整備することが政治経済に求められている。
ビジネスではこれを「ダイバーシティマネジメント」とよび、「多様性」を逆に競争優位に活用すべく企業の文化や制度、組織体を変革していくアプローチが脚光を浴びている。政治においても同様に、海外からの人材流入、女性や高齢者そして障害者が活躍できる仕組みつくりがこれからもとめられるはずだ。
21世紀は都市間競争の時代。埼玉県およびさいたま市は今回の問題を逆に自治体にとっての「ダイバーシティマネジメント」を考えるきっかけにしてもらい、日本で最高レベルの「ダイバーシティ」度を目指してもらいたい。
(林 智守)
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